みつひかりの特長

多収性と良食味

多収性

地域の一般品種と比較して、3~5割の増収が期待できます。

「みつひかり」は、全国平均で12~13俵/10a(1俵=60kg)の多収実績があります(一般品種では8~9俵/10a)。F1品種のため種子価格は通常の7~8倍ですが、増収分で種子代をカバーする以上の収益性を得ることが期待できます。米価が下落傾向の中、生産者の収益を確保するためには、生産性の向上が大きなポイントとなります。ハイブリッドライス品種「みつひかり」は多収による生産者の収益確保が期待できる品種です。

「みつひかり2003」は極多収で栽培しやすく、「みつひかり2005」は多収かつ良食味を特長としています。

図:「みつひかり」の収量と食味

図:「みつひかり」と一般品種の穂の比較

良食味

「みつひかり2003」は日本晴の血を引き、炊飯米はあっさりとした食感で、業務用米として大変好評です(丼などにも向いています)。
「みつひかり2005」はコシヒカリ系の血を引き、炊飯米は粘りがあり、冷めてもおいしく、弁当やおにぎりなどの家庭用・中食用として大変好評です。また、外食企業や給食業者もこの特長を評価しています。

品種名 品質特性 用途
家庭用 業務用
飯米 カレー チャーハン
ピラフ
すし おむすび
弁当
みつひかり
2003
●玄米の光沢に優れ、
 透明度も高い。
●炊飯米は、つやと適度な
   粘りがある。
●炊飯米は、やや硬めなので、
   洋風・中華にも適する。
みつひかり
2005
●玄米の光沢に優れ、
   透明度も高い。
●炊飯米は、つやがあり、
   粘りと甘味が強い。

生育特性

「みつひかり」の草姿

「みつひかり」の生育特性

  • 草姿は受光効率のよい直立型で、葉色も濃いです。
  • 稈長が長く(100cm前後)、草丈も高い一方で、倒伏に強く稲わらとしての活用性にも優れます。
  • 穂が長大(最大穂は300粒超えも)ですが、穂数は確保しづらいです。
  • 多肥栽培に適します。
  • 生育期間が長い品種です(関東:5月上旬移植⇒10月上旬~刈取、西日本:6月中旬移植⇒10月下旬~刈取)。
  • 極晩生種で収穫期は10月以降なので、作期分散に貢献できます。
  • 関東から本州・九州の西南暖地域が栽培に適しています。

「みつひかり」の穂

「みつひかり」は、一穂あたりの粒数が多いのが特長です。

一般品種の平均穂長は18~20cmで、穂には約80粒の籾ができます。
これに対し、「みつひかり」では、穂長・一穂粒数は、ともに一般品種の約1.5倍となり、これがみつひかりの増収に結びつきます。
平均的には、みつひかり2003では、穂長30cm、一穂粒数180、みつひかり2005では、穂長25cm、一穂粒数は150にもなります。長い穂では250~300もの籾ができることもあります。

作期分散が可能

長い生育期間(極晩生)

品質の特性上、生育期間が長いので作業分散が可能となります。
「刈り遅れ」による品質劣化はほとんど見られません。

みつひかりの移植から収穫まで

「みつひかり」は、特性上、西日本での栽培に適しています。
大規模生産者においては、生産効率化(作業の分散・施設稼働率の向上)のために、生育期間の長い「みつひかり」を利用していただいています。胴割れしづらい品種で、収穫が遅くなっても品質の劣化がほとんど無く、「刈り遅れ」の心配のない品種ですので作期分散に貢献しています。

栽培地域

「みつひかり」の普及状況